鳩は平和の象徴とも呼ばれ、公園に集まるハトを子供が追いかける姿は私たちをほのぼのとさせます。けれども実はハトによる被害は深刻で、時には命に関わるほどの被害を及ぼすことすらある厄介な鳥なのです。

実は厄介なドバト

ドバトの特徴

ドバトはハト目ハト科に属する鳥でイエバトとも呼ばれます。全長30~35cmで、羽色は灰色、黒、紫、赤、緑、黄色など様々です。キジバトとよく似ていますが、ドバトにはうろこ状の模様がないのと、尾羽の先端の内側が黒くなっているという特徴があります。

ドバトの生態

極地を除く全世界に生息しています。
カワラバトを家禽として改良し、古くから飼育されていました。そのうち野生化したドバトは住宅街や公園、神社や駅など人間の生活スペースと隣り合わせで生息しています。

家禽化の歴史は古く、紀元前3000年のエジプトにまでさかのぼると言われています。
個体数が増加した原因として、戦後空気銃の使用が禁止されたことや、天敵の減少、営巣場所、エサの増加などが挙げられます。

ハトはフンを撒き散らす

鳩害とは

野生化したドバトは世界各地で様々な被害を及ぼしています。鳴き声がうるさかったり存在そのものが恐怖を与えたりする場合もありますが、鳩による害で最も深刻なのが糞による被害です。

匂いや衛生的な面で問題があるのはもちろんですが、大量の糞によって建物が腐食することによる建物の劣化なども大きな問題となっています。

鳩の糞による被害

鳩の糞による被害のうち深刻なものの1つが健康被害です。
鳩の糞によりゴキブリやダニなどの害虫が発生する原因となったり、アレルゲンとなったり、寄生虫や病原菌を媒介したりする恐れがあります。特にクリプトコックス症はハトの糞便に潜むカビから発症します。

健康な人が感染しても気が付かない場合も多いのですが、免疫力が弱っていたり、病気などで体力が落ちていたりすると重症化してしまうこともあるので厄介です。乾燥した糞が風で舞って肺に入ったり、屋外で土を触ったりすることによって感染する可能性があります。

鳩の糞があるからといって直ちに感染するとは限りませんが、鳩の糞は放置せずに掃除をして綺麗にしておくようにしましょう。

クリプトコックス症以外にもオウム病、ヒストプタズマ症、トキソプラズマ症など恐ろしい感染症を引き起こすことがあります。

※参考:オウム病について – 厚生労働省

ハトに棲みつかれないための対策は?

手すりに対策を施す

ドバトはベランダなどにとまる際、一度手すりにとまって安全かどうかを確かめるという習性があります。よほど広いベランダでない限り手すりにとまることができなければ降りることはできません。

そこで手すりにテグス、もしくは細いワイヤを張ってドバトが止まれないようにしましょう。

掃除を徹底する

ドバトは糞があるとそこが安全な場所だと認識します。ですからドバトに限らず鳥に糞をされたらすぐに掃除をしてドバトが集まらないようにしましょう。ベランダや庭等をできるだけ毎日綺麗にしておくことで、ドバトが寄り付きにくくなります。

巣の作りにくい環境にする

ドバトは雨のかからない乾いた棚状の場所に巣を作ります。特に人の出入りが少ないエアコンの室外機の下や裏、ベランダの隅などは狙われやすいため、巣を作りにくい環境にして清潔に保ちましょう。

鳩用の忌避剤を使用することでもハトを追い払うことができます。スプレータイプ、固形タイプ、ジェルタイプなど様々な種類があるので、使用したい場所や被害の程度によって使い分けるようにしましょう。鳩は一度巣を作ると同じ場所に執着するため、早い段階での対応が大切です。

早く確実に解決したい場合は、鳩駆除のプロに依頼するのが一番です。
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まとめ

ドバトについてまとめてみました。
遠くで見ている分には問題ありませんが、身近にたくさんいるととても厄介な鳥だということがわかりますね。自分の家に被害が及ばないよう、糞を見つけたらすぐに掃除をして清潔に保つようにしましょう。