ゴミ集積場がカラスによって荒らされてしまう…というのはどこの自治体でも悩みの種の1つではないかと思います。しっかりと対策をしていても、ちょっとした隙を狙ってゴミを漁るカラスは脅威でもあり、不気味な存在でもあります。
都会を中心にすむ大型のカラス

ハシブトガラスの特徴

ハシブトガラスはスズメ目カラス科に属する鳥です。全長56cmと比較的大型で、成鳥は瞳も足も全身が黒色で、幼鳥は瞳が青く、羽の色は濃い青紫色をしています。額が出っ張っているのが特徴で、似た種類であるハシボソガラスよりもやや大きく、くちばしが太く短めであるという特徴があります。

ハシブトガラスの生態

沿海州から中国、ヒマラヤ、インド、インドシナ半島など東アジア~南アジアに広く分布しています。日本においては小笠原諸島以外の全ての場所に分布しており、全国において留鳥です。海岸、農耕地、河原、山地、森林、市街地、住宅地などあらゆる場所で見られます。特に日本では都会に多く生息しています。樹上や鉄塔などに枝などを集めて椀型の巣を作ります。住宅地では針金ハンガーなどを使うこともあります。

繁殖期以外は群れで過ごし、まとまった大木のある森林などがねぐらとして使われます。
またハシボソガラスは濁った声で鳴きますが、ハシブトガラスはカーカーと澄んだ声で鳴きます。

カラスの知能は非常に高い

カラスの知能は人間の子供並?

知能、記憶力が高いことでもよく知られており、カラスの知能は、個体差はあるものの、人間の三歳児~小学校低学年並とも言われます。
エサが豊富にあると貯食といってエサを隠しておいて後で食べるということをします。たとえ100か所以上の場所に隠してもそのすべての場所を覚えていると言われています。

くちばしと足を器用に使って、公園の水道の蛇口をひねって水を飲む様子もたびたび目撃されています。

カラスは遊ぶ?

人間の子供が滑り台で滑って遊んでいるのを真似して、カラスも滑り台を滑って遊んだり、自分好みの宝飾品やガラス製品など光るものを収集したりするなど、繁殖や生命維持活動とは無関係な行動もします。

カラスは被害も深刻

カラスによる被害

ハシブトガラスは人家の近くに住み、ゴミなどを荒らして食べます。さながらサバンナのハイエナのように魚、肉、野菜、動物の死体、小動物、人間の出したゴミなど雑食性で何でも食べます。ゴミ集積場はカラスにとってエサの宝庫ですから、場所を覚えて何度もゴミを荒らします。

またカラスは繁殖期(3月下旬~7月上旬)になると巣を作り、卵を産んでヒナを育てますが、この時期に巣から落ちたヒナの側を人間が通ると威嚇したり攻撃したりしてきます。

カラスによる被害の対策

カラスによるゴミ荒らしの対策としては、カラス除け専用の防鳥ネットでゴミをしっかりと覆う、生ごみは水気を切ってから捨てる、収集日を守るなどが挙げられます。
またカラスが攻撃をする時は後頭部めがけて飛んできます。そのため傘などの棒状のものを頭の後ろに掲げると、カラスは羽が接触するのを恐れて近寄らなくなります。また頭を保護するために帽子などを被ることも有効です。

カラスの攻撃性を刺激しないためにも巣に近づかないようにするのが一番です。威嚇されるなどの被害がある場合は巣を撤去したり落ちているヒナを回収したりする必要があります。巣のある場所の管理者に連絡し、撤去してもらうようにしましょう。

まとめ

ハシブトガラスについてまとめてみました。
とても賢くよく見ると愛嬌のある顔立ちをしているハシブトガラス。親近感を覚えてしまいそうですが、やはりゴミを荒らしたり人間を攻撃したりする厄介者であることに間違いはありません。数を増やさないためにもエサを与えない=ゴミの管理をきちんとすることを徹底しましょう。

 

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