川や田んぼなどの水辺にギョッとするくらい大きなサギを見かけることがあるかもしれません。実はサギにはたくさんの種類があり、その種類によって大きさや特徴なども様々です。世界中どこにでも分布しているので、いずれかのサギを目にしたことがあるのではないでしょうか。

水のある場所ならどこでも住んでいる

サギの特徴

ペリカン目サギ科に属する鳥を総称してサギと呼びます。サギ科の鳥は世界で65種、日本では19種が記録されています。サギ類はすべて長いくちばし、首、足を持っています。サギの多くはオスメス同色ですが、繁殖期になると頭や胸、背中に美しい飾り羽を持つ種類もいます。

他の鳥にはないサギの特徴として、飛ぶ時に首をS字に折り曲げることが知られています。

サギの生態

極地を除く世界各地に分布します。一般的に河岸、湖畔、湿地、水田などの水辺に生息します。多くのサギ類は昼行性ですが、一部夜行性の種類もいます。
サギの多くは魚やカエル、ザリガニなどの甲殻類をエサとする肉食性ですが、昆虫食の種類もいます。

サギ類の鳴き声は一般的に太いしわがれ声で騒がしいため、あまり美しいとは言えないかもしれません。

サギは大きさによって種類が変わる

シラサギの種類

一般的に体全体の羽が白いサギのことをシラサギと呼びます。日本ではダイサギ、チュウサギ、コサギ、アマサギの4種を通称シラサギと呼んでいます。見た目はよく似ていますが、主に大きさで区別することができます。

ダイサギ…体長89cm。くちばしの色が夏は黒と緑、冬は黄色になります。
チュウサギ…体長68cm。くちばしの色が夏は黒と黄色ですが、冬になるとくちばしの先端のみが黒で他は黄色になります。
コサギ…体長61cm。くちばしの色は夏冬ともに黒ですが、夏は頭部に飾り羽を持ちます。
アマサギ…体長50cm。くちばしの色は夏冬ともに黄色ですが、夏羽は頭や背、胸が橙色になります。

その他のサギ

シラサギ以外にもよく見かけるサギ類として、アマサギ、ゴイサギなどが挙げられます。

アオサギ…体長93cm。日本で繁殖するサギとしては最大。体の上面は灰色がかっていて翼の風切羽は青色がかった黒をしています。
ゴイサギ…体長58cm。成鳥は頭から背が緑黒色、翼の上面が灰色。若鳥は灰色味のある茶色で斑点模様があります。夜行性で昼間は林の中でじっとしていますが、夕方から川などに

魚をとりに出かけます。他のサギに比べるとずんぐりとした体形をしています。

サギの営巣場所「サギ山」について

サギ山とは?

日本に生息するサギ類のうち、シラサギの4種とゴイサギ、アオサギの計6種がサギ山と呼ばれるコロニーを形成します。そのコロニーがある山をサギ山と呼びます。
環境省が以前行った調査によると、サギ山が作られる場所として多いのが竹林、落葉広葉樹林、スギ・ヒノキ・マツ林など様々ですが、関東では竹林が多く、関西では落葉広葉樹林に多くコロニーが形成されていました。

サギの糞はとかく嫌われがちですが、かつてサギ山に大量に溜まっていた糞は窒素肥料として重宝されていました。

減りつつあるサギ山

このようなサギ山は現在でも残っていますが減少傾向にあります。全国には「鷺山」という地名が多くあることから現在よりも多くのサギ山があったと考えられています。サギ山が減ってしまった理由としては、田んぼが減ってしまったり、田んぼが近代化したりすることによってサギのエサとなる魚やカエルが生息しにくくなってしまったことが考えられています。

まとめ

サギについてまとめてみました。
シロサギと言っても色々な種類がいることがわかりましたね。次にサギを見かけたらどのサギかを当ててみるのも楽しいかもしれません。

 

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